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健康保険法の一部改正・・・請負業務等に対する給付

更新日:2013/09/30

健康保険の被保険者又は被扶養者の業務上の負傷等について(平成25年10月から)

制度の概要

これまで、健康保険は業務外の事由による疾病、負傷若しくは死亡又は出産に対して保険給付を行っており、「業務」とは「人が職業その他社会生活上の地位に基づいて、継続して行う事務又は事業の総称」と解釈されていることから、請負業務、インターンシップ又はシルバー人材センターの会員が業務を行っているときに負傷した場合は、健康保険から保険給付は行われず、また、労働者災害補償保険からも保険給付が行われないケースが生じていました。
このようなケースを解消するため、健康保険法の一部が改正され、健康保険では、被保険者又は被扶養者の労働者災害補償保険の業務災害以外の疾病、負傷若しくは死亡又は出産に対して保険給付を行うこととなります。ただし、被保険者又は被扶養者が法人の役員である場合であって、その法人の役員の業務に起因する疾病、負傷若しくは死亡に対しては、引き続き健康保険から保険給付を行うことはできません。(注1)

(注1)
被保険者の数が5人未満である適用事業所に使用される法人の役員であって、一般の従業員が従事する業務と同一である業務を遂行している場合において、その業務に起因する疾病、負傷若しくは死亡に対しては、健康保険から保険給付を行います。

[解説]
・労災保険は「労働者」であって「業務上」が要件であり、健康保険は「業務外」が要件でした。ここで、「業務」の解釈範囲が異なるためにどちらからも認定されない事態が発生していました。今回の改正でこの部分が改められました。
・また、従来は被扶養者への言及はありませんでしたが、今回の改正で被扶養者に対しても同等の取り扱いとなることが明示されました。
・(注1)に関係する部分は、健康保険の給付適用要件が変更されたための付加項目です。内容は従来と変わることはありません。

今回の法改正の対象となる例として以下などが考えられます。
●インターンシップの学生
●リハビリ勤務中の者
●副業として行う請負業務従事者

なお、国民健康保険には業務上・外の規定がないためこの種の問題は発生しません。